
こんにちは。つなぐ珈琲のぽんです。今回は徐々に東北、秋田でも浸透しつつある、スペシャルティコーヒーについて秋田ならではの形で秋田で3店舗、福岡でも活動を展開する私が秋田ならではの形でご紹介します。正直、スペシャルティコーヒーと言っても一言ではご紹介できません。今回はあくまでもスペシャルティーの概念に触れていきます。(途中難しいコーヒー用語が出てきますが、ご了承ください。またいつかご紹介していきます。)
秋田の皆さんにとって馴染み深い「特別なもの」とスペシャルティコーヒー
秋田県に住む方々にとって、「横手市の〇〇さんのリンゴは特別おいしい」とか、「サキホコレも食べるけど、大仙市の〇〇さんのあきたこまちも好きだから直接買ってる」といった会話は、スーパーや道の駅、産直市場、または知り合い同士の間で日常的にありますよね。地元の農産物が、特定の地域や生産者によって特別な価値を持つのは、秋田ならではの風景かもしれません。
実は、スペシャルティコーヒーもこのような感覚に近いものがあります。「スペシャルティ」と聞くと高級品を連想しがちですが、コーヒーの世界では、それは「特別に管理された品質の一杯」という意味です。地元の農作物がその風土や気候、そして生産者の手間によって特別な味わいを持つのと同じように、スペシャルティコーヒーも、産地や栽培方法、収穫後の管理が非常に丁寧に行われているため、その一杯が他とは異なる豊かな個性を持ちます。

スペシャリティコーヒーの定義について
先日、つなぐ珈琲も見学で参加してきたアジア最大のスペシャルティコーヒーの展示会SCAJに参加してきました。
スペシャルティコーヒーについては日本スペシャルティコーヒー協会SCAJ様の定義を参照させていただき、紹介させていただきます。
スペシャルティコーヒーは、カップの中の風味が特に優れ、消費者が「美味しい」と感じるコーヒーを指します。この美味しさを実現するためには、コーヒー豆が栽培から抽出に至るまでのすべての工程で高い品質管理が必要です。風味の特徴には、爽やかな酸味、際立った甘さ、そして地域特有の風味が調和するバランスが含まれます。これを実現するため、生産国での適切な管理、輸送、焙煎、抽出が重要です。また、スペシャルティコーヒーはサステナビリティとトレイサビリティを重視し、生産から消費に至る過程が明確であることも求められています。
参照:SCAJ | スペシャルティコーヒーの定義
サスティナビリティはちょっと聞いたことがあるけど、トレイサビリティ…うーん・・・。という方も多いですよね。分かります。どうしてもコーヒーって海外で作られていることが多いので、どうしてもカタカナ語が増えてきます。
今後徐々に変換して深掘りして紹介していきますのでご安心ください。
サスティナビリティ?
サスティナビリティ(sustainability)とは持続可能性のことであり、将来に向けて環境や社会、経済が無理なく続けられる状態を指します。例えば、自然資源を使いすぎずに、未来の世代も同じように生活できるようにすることです。環境を守りながら社会や経済もバランスよく成長させる考え方です。たとえばコーヒー生産者にしっかりとしたお金が回ったり、地球環境に配慮しながらの栽培、精製方法のことを指していきます。
トレイサビリティ?
トレーサビリティ(traceability)とは、追跡可能性のことをであり、原材料の生産から販売までの全過程を追跡できることです。例えば、秋田県の大仙市産のぽんさんのブルーベリーといったように、ベトナムのランビアンの〇〇農園のーと言った具合で辿れることです。

秋田県の特産物とスペシャルティコーヒーの共通点
秋田県の農作物が、地元の人々に愛されるのは、その特別さが日常の中で自然と感じ取れるからです。例えば、横手市の〇〇さんが育てたリンゴや、雄物川のスイカは、ただの商品ではなく、生産者の知恵と努力、自然の恩恵が詰まった一品です。同じように、スペシャルティコーヒーも、一杯のコーヒーに生産者のストーリーが込められています。その特別さを味わうことは、秋田の皆さんが日々親しんでいる「この土地だからこそ」の味覚を楽しむことと通じています。
自家栽培のコーヒーはスペシャルティ?その基準について
では、例えば私が家庭菜園でコーヒーの木を育て、その豆を収穫したら、それは「スペシャルティコーヒー」と言えるでしょうか?
たしかに秋田県大仙市産のぽんのコーヒーのように一般のご家庭で栽培された作物も、確かに特別かもしれませんが、それだけでスペシャルティの名を冠することはできません。
スペシャルティコーヒーは、ある一定の厳しい基準に基づいて品質管理や生産管理が行われたコーヒー豆にのみ与えられる称号です。具体的には、栽培の過程での品質チェック、収穫後の精製方法、さらには味わいのプロフェッショナルであるカッピング審査員による評価まで、多くのプロセスを経てその特別さが認定されます。そのため、ただ「自家栽培だから特別」ではなく、栽培、管理、精製の質が高ければ、そのコーヒー豆はスペシャルティコーヒーとして認められる可能性があるのです。また評価や、グレードの仕方は各協会や各国によって異なるところもあります。後日、各国ごとの紹介をしていきます。
秋田でスペシャルティコーヒーが飲めるように

スペシャルティコーヒーは、単なる高品質のコーヒー豆というだけでなく、その生産背景や品質管理が徹底されている「特別な一杯」です。秋田の地元産の野菜や果物がその風土に根差した特別なものとして評価されるように、スペシャルティコーヒーも、丁寧なプロセスと作り手の努力が一杯に凝縮されています。次回、地元の特産物を楽しむように、コーヒーもそのストーリーを感じながら飲んでみてはいかがでしょうか。秋田県でも少しずつ、スペシャルティコーヒーを出すロースターや喫茶店、カフェも増えてきてます。つなぐ珈琲でもスペシャルティコーヒーを取り扱っており、今後しっかりと取り扱いのコーヒー豆や新入荷のスペシャルティコーヒーを紹介していきます。
【ちなみに】新入荷のスペシャルティコーヒー
このスペシャルティコーヒーの概要の記事を執筆している本日、貴重な面白いおいしいコーヒー豆の取引をすることが決まりました。聞いてみると、このスペシャルティコーヒー豆の秋田県での取り扱いは私たちが初だそうです。私たちは先日SCAJに参加して、直接、農園の方々にコーヒーを淹れてもらい、言葉は通じないところがあるため、卸を担当するインポーター様経由で対話をしてきました。しっかりとコーヒー豆の生産者の気持ちや思考、その土地の背景や歴史、未来を理解して、次は私たちはそのコーヒー豆を焙煎、抽出という形で責任を持ってバトンをつないでいきます。
少しずつこの秋田と海外がコーヒーを通じてつながり、開かれたおいしい穏やかな世界が紡げることを祈ってー