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むちっと、ふわっと。心を包むヨギソベーグル|秋田のベーグル専門店起業への挑戦

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約6分

秋田県横手市。香ばしい小麦の香りがふんわり広がると、それはベーグルが焼けた合図。幾度もの試行錯誤を重ね、一つひとつ丁寧に焼き上げているのは、YOGISO BAGEL(ヨギソベーグル)のエリカさんです。

柔らかな笑顔の奥にある、探求心とまっすぐな思いは、彼女の作るベーグルにも息づいています。今日はエリカさんに、ベーグルとの出会いや“むちふわ”に込めた思いについて、ゆっくりとお話を伺いました。

ヨギソベーグル

秋田県横手市出身。某コーヒーチェーンのバリスタを経て、つなぐ珈琲へ転職。現在は横手店でバリスタとして働きながら、ショップ内起業としてベーグルブランド「YOGISO BAGEL(ヨギソベーグル)」を立ち上げ、製造を担当している。将来の“ちいさなベーグル屋さん”の開業を目標に、日々取り組みを重ねている。

“ここで”届ける、韓国風むちふわベーグル。

——現在はどんなスタイルで、ベーグルを作っているんですか?

「今はまだ自分の店舗を持っているわけではなく、バリスタとして勤務するつなぐ珈琲のショップ内起業のような形でベーグルブランドを立ち上げてスタートしました。現在は、つなぐ珈琲の菓子製造許可のあるキッチンで作っています。毎週火曜日と土曜日をベーグルの日として、つなぐ珈琲各店舗で販売しています。」

——“ヨギソベーグル”という名前には、どんな意味が込められているのでしょうか?

“ヨギソ”は韓国語で『ここで』という意味です。“ここで”手に取ってもらったベーグルが、大切な人や場所、時間にそっと寄り添えるようにと名前をつけました。」

——とても素敵ですね。名前を決めるときは悩みましたか?

「ヨギソベーグルは、ポンッとすぐ私の中に降りてきました(笑)名前が決まってからは、“誰かの日常にほんの少しでも幸せを届けられたら”という思いが、自然と形になっていきましたね。」


ご飯派だった彼女が、ベーグルにハマったきっかけ。

——そもそもベーグルを作り始めたきっかけは、何だったのでしょう?

「学生の時に、韓国で食べたベーグルに衝撃を受けたんです。噛んだときに広がる香りやむちっとふわっとしている食感など、『ベーグルってこんなに美味しいんだ!』って感動しました。今までずっとご飯派だったのですが、今はご飯かベーグルか…と究極を迫られたらベーグルを選んでしまいます。」

——旅行から帰ってきた後、理想のベーグルには出会えなかったそうですね。

「そうなんです。当時はどこを探しても、韓国で食べたむちふわ食感には出会えず…。なので自分で作ることにしたんです。作り始めるととことん追求してしまって…(笑)水分量や材料、温度など細かくこだわるようになりましたね。」

——それが今の商品につながったんですね。

「そうですね。以前はご飯を作るみたいに、自分が食べたくてベーグルを作っていました。それこそ友達にもおすそ分けしていたんですが、『これ商品にしてみたら?』と勧められて。その一言がきっかけで、今に至ります。」


生地に耳を澄ませ、“むちふわ”を追求する日々。

ベーグル作成が無い日は、つなぐ珈琲横手店のバリスタとして活躍

——理想の“むちふわ”にたどり着くまで、試行錯誤されたそうですね。

「本当にそうです…。右も左もわからない状態だったので、初めは噛み砕けない防御力高めのベーグルができて絶望しました(笑)それでも毎日作って、メモを取りながら少しずつ調整していきましたね。」

——“今日の生地ちょっと違うかも”と気づくのは、どんなときなんですか?

「“おや?いつもより粉っぽいな”“ちょっと水が多いかな”と、粉と材料を混ぜている途中で気づいて調整します。生地が出来上がってからだと、手を加えてもうまくいかないことが多いんです。」

——なるほど。日によってベーグルのコンディションがあるんですね。

「そうですね。毎日ベーグルと向き合ってきて、ようやく見た目や触った感触、生地の質感で判断できるようになってきました。」

誰かの“おいしい”に寄り添えること。

——ベーグルを作る中で、幸せを感じる瞬間はありますか?

「やっぱりお客さんの反応ですね。メッセージや直接お会いしたときに“おいしかったよ”と感想を貰うとすごく嬉しいです。もちろん生地をこねたり、小麦の香りを感じたりする瞬間も幸せですが、1番は食べてもらった後の声ですね。」

——お客さんからの声が、大きな支えになっているんですね。

「そうですね。『自分の“おいしい”と、相手の“おいしい”が必ずしも同じとは限らない。』といつも思っていて。だからこそ、その人にとっての“正解”になれたときは、本当に嬉しいです。」

アイディアは、“おいしい記憶”の引き出しから。

つなぐ珈琲横手店限定ラテアート|エリカさん作

——常に新しいベーグルが登場していますが、アイディアはどのように生まれるんですか?

「カフェ巡りや海外旅行で食べたもの、過去に溜めてきた食の経験からインスピレーションを得ています。『この原理ならこれも合うかも!』という感覚で、足し引きしながら組み合わせを考えます。」

——お客さんからのリクエストも取り入れているそうですね。

「はい。実際に『チョコがたくさん入ったものが食べたい』というお客さんの声から、『チョコまみれ』というベーグルが生まれました。」

——お客さんと一緒に考えるベーグル、なんだかワクワクします。

「例えば『〇〇を使って作ってみて!』と1つ食材を言ってもらえたら、そこから香りや食感のイメージがふわ〜っと浮かんでくるんです。その瞬間のひらめきで、自由にアイディアを形にしています。」


いつか叶えたい、ベーグル好きと過ごすひととき。

——ゆくゆくは、ベーグルloverが集まる会を開きたいと伺いました。

「そうですね。ラフな披露宴会場のような雰囲気で、テーブルに色んなベーグルやジャム、おかず系を置いて自由に組み合わせて食べる会をイメージしています。」

——ちなみにエリカさんは、主催者として参加するんですか?

「ん〜、私も混ざって楽しみます(笑)同じくベーグルloverとして、職業や年齢関係なく大好きなベーグルを囲んで特別な時間を作れたらなと思います。」


ベーグルでつながる、心がほどけるお店。

——ヨギソベーグルとして、今後やってみたいことはありますか?

地元の横手市に、ちいさなベーグル屋さんを開きたいと思っています。」

——素敵ですね。どんなお店にしたいですか?

「ベーグルをきっかけに、日常がほんのちょっと豊かになったり、訪れた人の肩の力がゆるんだり。この街で暮らす人の“ほっとひと息をつける居場所”にいつかなれたら——そんなふうに思っています。」

ハロウィンに登場した猫耳ベーグル

香りと食感、そして食べた後の幸せな余韻まで、とことんこだわるヨギソベーグル。
今日はどのベーグルを食べようかな——。
立ち止まって迷う時間もまた、暮らしの中の小さな幸せ。
ベーグルを通じて生まれる“ひととき”に、そっと寄り添いたいと願う。
そんなエリカさんのまっすぐで優しい思いが、一つひとつにぎゅっと詰まっています。

この記事をインタビュー書いた人

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